単独プロデューサーとしてのロジャースの名を広めたアルバム。大ヒットしたが(だからこそ)、ボウイ史でみると賛否両論の問題作だった。奇妙な格好をした誇大妄想狂的なカルト・ヒーローが、お洒落なスーツに身を包み健康的に微笑むスターになったからだ。「時代に迎合してしまった」「いや、彼はいつもそうやって我々を裏切ってきたではないか」と論争になったものだ。
 75年の『ヤング・アメリカンズ』(ルーサー・ヴァンドロスを起用)で試したファンク・アプローチの83年版といえるもので、ロジャースのリズム・ギターやトンプソン&オマー・ハキムのドラムズが気持ち良い。エドワーズがA4に参加、シックのリズム隊三人が揃っている。本作の直後にダブル・トラブル名義でのデビュー作を出したスティーヴィー・レイ・ヴォーンのリード・ギターも話題に。